【スンデとは?】もちもちで旨みたっぷりの韓国屋台ソーセージ

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スンデ (순대) は韓国で広く親しまれている伝統的な屋台料理のひとつで、春雨やもち米、野菜、時には豚の血などを腸詰めにして蒸しあげた“韓国風の血入りソーセージ”です。豚または牛の腸を使った弾力のある食感と、もちっとした中身のバランスが絶妙で、軽食としてだけでなく、スープや炒め物としても愛されています。

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スンデってどんな料理?

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韓国のソウルフードとも言えるスンデ (순대) は、「血」を使うことが特徴ですが、それ以上に食感のコントラストが魅力です。腸は塩や小麦粉で丁寧に洗い、裏返して臭みを取り除いた後、もち米、春雨(タンミョン)、豆腐、もやし、ネギ、調味料、そして豚の血などを詰めて蒸し上げます。しっかりと蒸された腸はプリッとした歯ごたえで、中身はしっとりもちもち。意外にもクセはなく、まろやかな味わいです。

屋台で食べるスンデは、シンプルに春雨やもち米を中心としたあっさり系。専門店やレストランでは、餃子のように具沢山にして旨味をアップさせたスタイルも人気です。また、スンデ単体ではなく、レバーや肺、胃袋などの内臓と一緒に盛り合わせて提供されることも多く、ソウルでは塩こしょう、地方では酢コチュジャンなどのタレと共にいただきます。トッポッキや揚げ物と並べて盛られることも多く、辛いソースに絡めたり、スープで食べたりと、その楽しみ方は多彩です。

スンデのルーツはどこ?

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スンデの歴史は古く、高麗時代(918〜1392年)にはすでに存在していたとされ、当時は野生の猪の腸に雑穀や肉を詰めて作られていました。朝鮮時代の料理書『是議全書』や『閨閤叢書』にもスンデのレシピが記されており、もともとは祝い事や年中行事など、特別な場面で食べられるごちそうでした。

しかし、朝鮮戦争後、肉が貴重になったことで、春雨が代用材料として使われ始めます。この工夫により、スンデは手軽で安価なストリートフードとして広まり、1950年代以降は屋台や食堂の定番メニューとなりました。

さらに、韓国各地では地域ごとの独自スタイルが発展しました。咸鏡道の「アバイスンデ」は大きくて血の割合が多め。江原道ではイカの胴体を使った「オジンオスンデ」が有名。済州島では魚の浮袋を使ったものも。京畿道・龍仁の「ペガムスンデ」は血を使わず、さっぱりとした味が特徴です。ソウルの新林洞には「スンデタウン」と呼ばれるグルメスポットもあり、スンデ炒め(スンデボックム)を提供する専門店が集まっています。

なぜスンデはこんなに人気なの?

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スンデがこれほどまでに人気なのは、その食感と味わいの“奥行き”にあります。外の腸はぷりっと、内側はもちもち。口に入れた瞬間、心地よい弾力が広がり、ほのかな鉄分とでんぷんのやさしい甘みがバランスよく感じられます。

塩こしょうや酢コチュジャンなどのディップソースを添えると、さらに味の奥行きが増し、飽きずに食べられます。特に寒い夜に、湯気の立つスンデと一緒に熱いスープやマッコリ、焼酎を囲むと、まさに韓国の“おふくろの味”と呼ぶにふさわしい癒しのひとときが訪れます。

近年はスンデのアレンジも進み、スンデ炒めやスープ(スンデクッ)はもちろん、チーズやハーブを添えた創作スンデも登場。もちのような食感と温かみのある味わいが、食べる人の心と身体をほっとさせてくれます。昔ながらの素朴さと、新しい食のトレンドを両立するスンデは、まさに韓国を象徴する一皿です。


Wonder Point

韓国で“ホッとする味”を探すなら、まずはスンデを食べてみてください。屋台で塩こしょうや酢コチュジャンにつけて一口、そのあとスンデクッのスープで温まれば、韓国のソウルフードの魅力を一気に体感できます。地域ごとのバリエーションも楽しく、イカ入りや魚バージョン、血を使わないヘルシーなスタイルまで。スンデは噛めば噛むほど味が出る、そんな魅力たっぷりの料理です。

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